毎年楽しみにしている「京の名工展」へ今年も行って来た。
京の伝統工芸士たちの技術の粋を尽くした作品の発表会のようなもので、名工たちの腕によりをかけた作品を見ることが出来るのが楽しみで、無料なのが勿体ない、と思いながらいつも見る。
毎年その作品たちの出来上がりと、思いもよらない発想の凄さに圧倒されて、伝統工芸の持つ威力を思い知るのである。

↓メンテナンス中かもしれない
京都文化博物館
【ミュージアムギャラリー】
「京の名工展」(5F)
会期:2026年10月21日(水)ー10月25日(日)
まず府知事の西脇隆俊のごあいさつパネルがあり、京の名工とは「京都府伝統産業優秀技術者」であるとの紹介がある。

その入り口すぐにはいきなり毘沙門天像があり、驚く。

もちろん仏像彫刻師も名工のうちなのだ。
隣りには聖観音像もあり、一木造りだというからますます驚く。

京都には仏像彫刻師が現在も当たり前に存在するのだ。驚きだ(私だけ?)。
壁に巨大な房が飾られているのも迫力がある。
「房撚紐師」という技術者がいるのだ。
御簾用に正絹糸を染めたという。社殿などで使用される。

さらに驚くのは創作「鶴」と題された作品であった。

これも房撚紐師によるもので、その房撚の技術を活かして鶴が羽ばたくさまを再現しているのであった。
京人形師による京人形も代表的な伝統工芸で雛人形なども展示されていたが、「牡丹獅子」と題された作品は迫力があり、凛としてカッコよかった。
もちろん歌舞伎の連獅子(親獅子)を表現している。

京人形は分業制で、頭(かしら)を作る頭師、着付をする着付師などに分かれている。
五人囃子の愛らしい作品は人形着付師によるもの。

風神雷神の立体作品は陶彫によるもの。
陶画師という、陶に絵付けをする工芸士だろうか。

風神雷神が忠実に立体化されていて素晴らしかった。
何気ない紅葉が花瓶に活けてある、と思っていたら、作者は菓子師と書かれていた。
なんと、砂糖に寒梅粉を加えて作った工芸菓子とのことだ。
お菓子だったとは…とこれも驚きだった。

京扇子は写真では分からないが巨大な富士山を描いた「富嶽」という作品が展示されていた。
京扇子も分業制で、3人の扇子技術者の合作である。

大きさは人の男性の背くらいあった。
また「道祖伸」が展示されていてまた驚く。
石工芸師という工芸士が現在もこうして存在していて、新しく作品を制作し続けているのかと。

「鳳凰」という作品にも驚かされた。
刺繍師によるもので、なんと立体刺繍という、刺繍作品なのだった。

作者の説明にもあくまで刺繍作品ですと書かれていた。
このように名工展には驚くばかりの作品が発表されている。
名工展に出品するため、名工たちはアイデアをひねり出して一点ものをこの発表会のために制作したのだろう。
京の伝統工芸の代表的な友禅や織、絞など着物類は今年も最も多く展示されていた。
その中で絞染師による振袖は、10歳の孫のために作ったということで、お孫さんの好きな色を選ばせたと説明書きにあり、作者の孫のためにと腕を振るった、いかにも楽し気な作品に仕上がっていて、見ている側も微笑ましくなった。

友禅の作品はもはや絵画と言って良い。
芸術作品と言えるだろう。
柄の配置も考えられており、作品として見事でいつも見とれてしまう。


そして最後の部屋にはいつものように庭が設えられていた。
造園師による庭が毎年作られているのである。

「幽石の庭」と題して、ひとつの庭に二つの世界を表したという。
狭いスペースの中にこれだけの装置を配置して造園する手腕にまたも感心するのであった。
こうして今年も名工たちの技の数々を見て、現代に京の伝統工芸の粋が受け継がれていることを頼もしく思うのだった。
----------------------------------------
美術館・ギャラリーランキング
京都府ランキング
フィギュアスケートランキング
↓ブログ村もよろしくお願いします!
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村










